校長挨拶

 

 

内原特別支援学校のホームページをご覧いただきまして、ありがとうございます。

昨年度に引き続き、令和7年度に内原特別支援学校で勤務させていただきます校長の林 孝一と申します。今年度も茨城県立内原特別支援学校に勤務できることに感謝するとともに、みなさまのお役にたてるよういろいろ学んでいきたい所存であります。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

始業式、入学式が行われ、いよいよ令和7年度が始まりました。4月1日付け、小学部90名、中学部37名、高等部31名、合計158名になり、昨年度の同じ時期より18名増えてのスタートになりました。

昨年度より、学校教育目標に「誰一人取り残さない教育」(全ての児童生徒の主体的な学びを保障)を掲げ、取り組んで参りました。しかしながら、目標達成にとどかないので、改善・工夫をしながら今年度も引き続き取り組んでいきます。つきましては、グランドデザインを考えるにあたっての背景等、昨年度に引き続き、次のように示させていただきます。

学習指導要領解説には次のような記述があります。「今の子供たちやこれから誕生する子供たちが成人して活躍する頃には、我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会構造や雇用環境は大きく、また急速に変化をしており、予測が困難な時代となっている。また、急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては、一人一人が持続可能な社会の担い手として、その多様性を原動力とし、質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される。

こうした変化の一つとして、人工知能(AI)の飛躍的な変化を挙げることができる。〜以下省略〜」

また、連日のように生成AIが新聞の記事になっていますが、学習指導要領解説には「人工知能の進化については、雇用の在り方や学校において獲得する知識の意味にも大きな変化をもたらすのではないかとの予測も示されている」とも記載されています。まさにそうだと思います。

また、このような変化の激しい世の中でも誰もが平和に幸せに暮らしていけるにはどうしたら良いのか。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能な社会の実現を目指す世界共通の目標です。この共通目標のできることに取り組み、教育目標として、誰一人取り残さない教育(全ての児童生徒の主体的な学びを保障)を実現することを全教職員で共通了解し、取り組んでいきます。

未来の幸福な社会づくりの担い手の子どもたちが育つ学校づくりをしていると使命感を感じながら教育活動をしていこうと思うのですが、これまでにお伝えした予測が困難な時代を、自律し、様々な人と対話して、新たなものを創造していくような子が育つ環境をつくるのは、学校の教職員だけではできません。校内でもより多くの視点から子どもが育つ環境を整えようと、まずは学年の教職員みんなの視点で子どもをみていこうとチーム担任制を意識して取り組んでいきます。その上で、保護者や関係機関・地域の皆様がサポーターになり、教職員とみんなで対等につながり、みんなが当事者になってこそ、これからをよりよく生きる子どもが育つ環境づくりを実現できるのではないでしょうか。本校では、今年度からコミュニティ・スクール(学校運営協議会の設置)になります。学校の目的を合意し、子供たちから学びながら、一緒に対話を通して学校・地域づくりに今後よりいっそうご協力をお願いいたします。なお、学校運営協議会については、年間3回実施され、本校の学校運営について、当事者意識をもって協議に参加していただく地域の委員の方々(9名)と毎回熟議・対話を重ねていく予定です。第2回目は、夏季休業中に開催予定です。委員だけでなく、より多く教職員、保護者の方に参加いただける熟議の機会を設ける予定です。今から考えてもとてもワクワクいたします。「みんなで学校(地域)をつくる」楽しみですね!

今年度の学校づくりのグランドデザインについては、学校運営協議会開催後、別ページに掲載する予定です。ご覧いただけるとありがたいです。「学校は何のためにあるか」、「教育は何のためにするのか」・・・。個人と社会のよりよい状態になること、誰一人嫌な思いをしている人がいない、ウェルビーイングな世の中をつくることが教育・学校の最上位の目的と考えます。そのウェルビーイングについて今年度は「それってどういうこと?」「これがウェルビーイングか!」と様々な場面で疑問や気づきの機会に恵まれるよう「ウェルビーイングって?!」というスローガンをグランドデザインに入れます。予測困難な時代を生き抜くために必要なさまざまな取り組みを、今後、教職員一同、児童生徒及び保護者の皆様、地域の皆様と一緒に考えて実行して参りたいです。

最後に、子どもたちが感じている「不便さ」や「バリア」は、世界が目指す共生社会への道しるべとなる貴重なものです。昨年(令和5年)4月にこども基本法が施行され、全てのこどもが、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指すことになり、今年(令和6年)4月に改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者の合理的配慮の提供が義務化されました。子どもたちが地域にでていく機会を増やし、日々の学習活動の様子などを積極的に情報発信し、本校の子どもたちの応援団を増やすとともに、子どもたち自身が情報の発信者となる社会貢献活動につなげていきたいと考えています。

どうぞよろしくお願いいたします。

令和 7年 4 月 茨城県立内原特別支援学校長 林 孝一